移住先でお互いにできることを助けあう、海辺のまちに生まれた活気/根岸えまさん

移住先で、家族に対する愛情のように。気負わず無理せず、楽しく暮らす


「あら。えまちゃん、どこさ行くの」「えまちゃん、あとで家さ魚届けてやっからな」。
行きかう人が、みんな声をかけてくる。「畑!サツマイモの苗植えっぺと思って」「じいちゃん、腰の具合もういいの?このまえのウニもありがとね!」。彼女もまた、挨拶にはとどまらない声を返す。穏やかな海辺のまちに、あたたかな活気が生まれています。

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根岸えまさんが加藤拓馬さんたちとともに「からくわ丸」を立ち上げ、唐桑に移住し活動を開始したのは2012年4月のこと。からくわ丸は地元に昔からあるものを地元の人たちと一緒に再発見&再評価し発信していこうというもの。最初は、地元の方々がガイドになって唐桑を案内するまち歩きから始まりました。徐々に私たちと同世代の若い人たちが参画してくれるようになり、今では地元の人が中心となってやりたいことを考え、活動するようになりました。私たちはその伴走者ですね。


唐桑の人と唐桑以外の人とをつなぐ


今年大学を卒業した根岸さんは、本格的な唐桑への移住定住を決意。2015年4月にはからくわ丸の運営および漁師さんのブランディング、移住・定住のコーディネートを柱とする一般社団法人まるオフィスを、加藤さんたち2人の仲間とともに立ち上げました。地域のマネージャーとして人と人との交流を結び、新たな文化や観光・移住需要の創造をめざしています。

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先に移住していたメンバーがいて、こちらでの生活が具体的にイメージできたこと。そして、同世代の仲間や地元の人たちが手を広げて待っていてくれたことが大きな理由です。私はまるオフィスという仕事を得ることができましたが、就業に対する需要も、地元のネットワークの中にはたくさんあり地元の漁師さんたちに協力してもらい、本格的な漁師体験プログラムを実施したりします。また、地元の若者たちと活動する「からくわ丸」で、農家さんの土地を借り、土づくりから始める畑をスタート。ズッキーニやインゲン、サニーレタス、トマト、ナスなど10種近くの野菜を植苗しました。

家もそうです。この地域は家を大切に思う方々が多いので、誰も住まなくなってからも、手入れをしながらきれいに残している家がとても多いんですね。でも、場所柄それは賃貸物件情報としては表に出て来ない。けれど、信頼している人の紹介なら気心の知れている人にならと貸してくださる家も少なくない。私の仕事は、唐桑の人と唐桑以外の人とを繋ぐことでもあります。そういう人と人との繋がりがここでの暮らしすべてのベースなんです。根岸さんと一軒家をシェアして住む小町香織さんも頷く。築60年ほどの家をお借りしひとり2部屋ずつ贅沢な広さを女の子3人でシェア。大家さんのご厚意で水回りやキッチンを新しくしてもらい、細かなところは楽しみながらDIYリフォーム。海風が抜けるので夏も涼しく過ごせそう。冬の寒さはこれからしっかり対策を考えます。


人と人との距離がちょうどいい


気仙沼市に移住定住

「田舎は干渉されることが多いよ、なんて言われていましたが、そんなことはない。むしろ私たち以上に私たちのプライバシーに気を配ってくれてます。黙って見守ってくださりつつ、私たちが困ったり悩んでいたりすると助け舟を出してくれる、ありがたい存在です」。私も最初は遊びに来ただけでした。けれど、地元の方たちと仲良くなるにつれ、「ここで、この人たちと暮らしてみたい」という思いがどんどん膨らんで。そういう意味では、まちの方たちが孫のように思って見守ってくださっていることに、大いに甘えているなあ、と思います。でも、だからこそ、ほんとうの家族に対するように、笑顔と誠実さを大切に自分のできることをやればいいと思うんです。若者らしいパワフルさと自由さを頼りにしつつ、その成長をあたたかく見守る唐桑の人々。移住先で生まれた相互扶助の新しい関係がまちを元気にしています。

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インタビューした人:根岸えまさん
category: 移住者インタビュー   theme: 気仙沼市 暮らす

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